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1月23日・訪問歯科診療
高齢・病気・障がいなどのために通院の困難な方から訪問診療のご依頼があります。
今日は2件を訪問しました。どちらも入れ歯の修理・調整です。
1件目は腰を痛めて歩けなくなった98歳のおばあさんです。残っていた歯の冠がとれて入れ歯があわなくなり、新しく入れ歯を作って欲しいとのことでした。
お口の中を見ると、上顎は右の犬歯と残根状態の奥歯が残っています。下顎は歯が無くて総入れ歯です。
よく入れ歯を作って欲しいと依頼されますが、訪問診療で新しく入れ歯を作ることはあんまりありません。
ご家族の方は、新しいきれいな入れ歯を希望されることが多く、お気持ちもよく解ります。
でも、通院できない方は姿勢も不安定で型・かみ合わせを採ること自体が難しく、噛む力も弱っているので新しく作っても上手く使えないし、なかなか慣れることができません。 そこで、なるべく患者さんの使い慣れた入れ歯を修理・調整することにしています。 粉々に割れた入れ歯もあきらめず、破片を無くさずにとっておいてください。 まず、修理できます。
この方の治療計画。
@上顎 |
・奥歯の残根のところは入れ歯に歯を追加する。
・右上の犬歯で入れ歯を維持させる。
・入れ歯があわなくなっているので歯ぐきにあうように裏側を調整する。
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A下顎 |
・入れ歯があわなくなっているので歯ぐきにあうように裏側を調整する。
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一度にはできないので痛くならないように少しずつ治療を進めました。2か月ほど、訪問して入れ歯で食べてもらえるようになりました。
「おばあちゃんは入れ歯をつけた時の方が良い顔をしてる。」と、ご家族にも好評でした。
上下の入れ歯を新しく作っていたら、もっとたいへんだったと思います。お口の中をチエックして異常がなかったので今日で終了です。
最後なので、おばあちゃんと一緒にお茶を飲んでいってくださいと言われました。おばあちゃんは、大好きな羊羹を上手に楊枝で切って美味しそうに食べていました。私もいただきましたが、こってりとした羊羹が分厚く切ってあって美味しかったです。
高齢者は痛みに鈍くなるのか、入れ歯が歯ぐきに食い込んでゾッとするぐらい深い傷になっていても痛がらない人が多いです。ご家族が気が付かないうちにひどい床ずれができていたことも聞いたことがあります。ご家族の方が大丈夫と思っていても必ずチエックが必要です。
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部分的に歯が残っていると、入れ歯なしで食べた時に歯ぐきを傷つけることがあります(矢印の部分)。
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「むし歯で欠けた歯や壊れた冠のかどが舌や唇にあたって痛いので何とかして欲しい。」と依頼されることもあります。
以前は訪問先で硬い歯や冠を削るのは無理でしたが、今は良い機械があるので簡単にできるようになりました。
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