佐藤歯科医院
    京都市左京区浄土寺西田町72-5 TEL 075-752-6480

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子どもの歯ならび・かみ合わせの治療「いつから(何歳から)始めるの?」

 「子どもの歯ならび・かみ合わせが気になるのですが、何歳ぐらいから治療を治療を始めたらよいのでしょうか?」と、よく聞かれます。
 ケースによって違うので一概に決められませんが、現在、明らかに問題があって成長に伴う改善が期待できず、むしろ状況の悪くなることが予想される場合は、すぐに治療を始めた方が良いでしょう。
 でも、子どもさんから治療に対する理解や協力が得られるようになるのは4〜5歳ぐらいからでしょうか。
 この時期に注意しなければいけないのは、上の歯ならびと下の歯ならびの前後的な位置関係です。
 また、「指しゃぶり」や「口呼吸」といった癖も、歯ならび・かみ合わせを悪くするので、この時期に改善した方が良いでしょう。
 ※「口呼吸」:鼻で呼吸しないで口で呼吸することです。子供さんが、いつもお口をぽかんと開けているようだと要注意です。口呼吸の原因として、鼻炎や扁桃肥大・アデノイド肥大・副鼻腔炎などが挙げられます。

4歳9ヶ月の男の子のケース

 乳歯の前歯が下の乳歯の内側にはいっています。このままだと、大人の歯に生え変わっても同じかみ合わせ(受け口)になってしまいます。 取り外し式の装置で上の前歯を外に押すことにしました。 10ヶ月後、前歯が出てきました。このまま、永久歯にはえかわってくれれば大丈夫です。でも、受け口は再発しやすいので成長が止まる18〜20歳ぐらいまで要観察です。

 6歳ぐらいから、下の一番前の乳歯が抜けて大人の歯・永久歯がはえてきます。8歳ぐらいになると、上下4本の前歯がはえ揃います。
 永久歯は乳歯よりも横幅が広い。そこで歯並びが狭くて永久歯が並ぶ隙間の足りない時には、ねじれて出てきたり、本来の場所とずれた位置に生えてくることがあります。
 この年齢になると、子どもさんの理解力も増して色々な装置を使って治療ができるようになります。
 この時期に、歯ならび・かみ合わせをできるだけ正常に近い形態に近づけ、しっかり噛めて飲み込める・きちんと発音できるように改善することは、この後の成長・発育を考えると、とても大切です。
 この時期(6〜8歳ぐらい)に治療を始めると、永久歯を抜歯(便宜抜歯)して治療する確率がとても低くなります。
 この時期だと簡単に治療できたことが、大人になって治療の難しい歯ならび・かみ合わせになっていることが多いように思います。
 小学校高学年〜大人になるまで、いつでも治療は始められますが、この時期に歯ならび・かみ合わせに問題があれば、歯科医師とよくご相談ください。

 開始時10歳0ヶ月の男の子
 歯ならびがせまいので、歯がおかしな所からはえてきました。取り外し式の装置で上下の歯並びを拡げてやります。

 約一年後。隙間ができると歯も下に降りてきました。
 歯がはえてくる時期を逸すると隙間を拡げても歯は降りてきません。
   十分拡げた後、永久歯が全部、はえ揃ってから歯ならびをきれいに整える治療を始めることになります。
 開始時7歳9ヶ月の女の子
下の前歯がガタガタしています。

歯ならびが狭いので取り外し式の装置で拡げます。

 一年10ヶ月後。きれいに歯みがきできていないのが心配です。

下の前歯はきれいに並びました。

 取り外し式の拡大装置(上顎用)
真ん中にネジがあって、回すと左右に拡がります。

取り外し式の拡大装置(下顎用)
ケースに応じて色々な装置があります。




前歯のすき間(こどもの場合)

 八瀬小学校の板垣先生からファックスがありました。  
 7歳ぐらいになると、上の前歯は乳歯から大人の歯に抜け替わります。
 大人の歯は子どもの歯よりも大きいので、前歯の間にすき間がないと次にはえてくる大人の歯がきれいに並びません。そこで、この時期に子どもの歯ならびは拡がって前歯にすき間ができるのです。
 このすき間のことを「発育空隙」と呼びます。隣の歯がはえてくると前歯が両側から押されて自然に閉じます。
 でも、
 ・前歯の間の筋(上唇小帯・下の写真の←)が太すぎる場合。
 ・前歯の間にもう一本、歯が埋まっている場合(正中埋伏過剰歯)。
 ・単に歯並びが悪い場合。
などが原因ですき間ができることもあります。
 そんな時は適切な時期に原因を除去しないと、すき間が残ったり、隣の歯がおかしな所にはえてくることがあります。
板垣先生から問い合わせのあった小学校一年生の男子は歯医者さんで診てもらったほうが良いでしょう。

前歯の間にすき間があります。矢印は上唇小帯。

隣の乳歯が大人の歯にはえ変わるとすき間は無くなりました。
前歯の間にすき間があります。

レントゲンを撮ってみると、前歯の間にもう一本歯が埋まっていました。




大人の歯(前歯)がはえてこない時

 乳歯が抜けたのに大人の歯(永久歯)がはえてこないことがあります。上の一番前の歯に多いようです。
 早速、7歳の女の子のケースを見てみましょう。上の前歯(乳歯)が抜けて、半年ぐらいたつのに大人の歯がはえてきません。
 見ると歯ぐきの下に大人の歯があるのがわかります。でも、歯ぐきと小帯が堅いのではえてこれないのでしょう。
 そこで、歯がはえてくるように歯ぐきに切れ込みをいれました。小帯が太いと歯と歯の間に隙間ができることがあるので小帯も切りました。
 約1週間後、大人の歯がはえてきました。
 歯ぐきが下にある前歯の形に盛り上がっています(黄色矢印)。上唇小帯(黒矢印の部分)が太く、歯と歯の間にわりこんでいます。

 歯ぐきと小帯を切って約1週間後。前歯がはえてきました。
 乳歯から大人の歯にはえ変わる時のトラブルは多いです。対応が悪いと歯並びが悪くなったり、歯がはえてこないこともあります。
 乳歯が抜けて2,3ヶ月しても大人の歯がはえてこない時、反対側(左右)の乳歯が抜けているのにいつまでも抜けない乳歯があるときは歯医者さんに相談したほうが良いでしょう。
 参考までに、大人の歯(永久歯)がはえてくる平均的な年齢の表を付けておきます。
※歯種の数字は、前からかぞえて何番目の歯という意味です。


歯種

17.03±0.08(5.06〜9.05)7.00±0.07(5.06〜9.05)
28.05±0.08(6.06〜11.01)8.00±0.08(6.03〜11.01)
310.10±1.01(7.03〜15.03)10.02±0.11(7.06〜12.06)
410.00±1.01(7.04〜14.03)9.04±1.00(5.08〜12.06)
511.01±1.04(7.01〜16.05)10.07±1.03(6.11〜14.07)
66.08±0.08(5.00〜8.10)6.07±0.08(5.01〜9.06)
713.03±1.00(9.08〜18.05)12.09±1.04(9.00〜18.00)
817.04±0.09(15.00〜19.00)17.08±1.06(14.03〜19.00)

16.03±0.07(4.08〜9.06)6.01±0.06(4.09〜8.00)
27.03±0.08(4.09〜10.03)7.00±0.09(5.04〜11.08)
310.02±0.11(7.10〜13.07)9.03±0.09(7.02〜12.02)
410.02±1.01(6.08〜13.08)9.07±0.11(7.01〜12.06)
511.04±1.03(8.01〜15.06)10.09±1.04(5.08〜15.11)
66.05±0.08(4.09〜9.03)6.02±0.07(4.09〜8.06)
712.05±1.02(9.04〜18.05)11.08±1.01(9.00〜16.10)
817.03±0.10(14.04〜19.00)17.05±0.09(14.09〜19.00)
永久歯の萌出時期(年.月.). (日本小児歯科学会、1988)
 

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